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    経産省が九州電力の出力抑制量の低減に向けた4対策を公表

    経済産業省は2018年11月12日、新エネルギー小委員会・系統ワーキンググループ(WG)を開催し、九州電力の実施している太陽光と風力発電に対する出力抑制(出力制御)に対応し、抑制量を削減するための4つの対策を公表した。

    九電の出力制御は、法令で定められた「優先給電ルール」に基づき、大まかに「火力の制御→揚水の活用(汲み上げ)→関門連系線の活用(域外送電)」という対応を取ったうえで、抑制指令を出している。そこで、追加的な対策として(1)連系線のさらなる活用、(2)オンライン制御の拡大、(3)火力などの最低出力の引き下げ、(4)出力制御における経済的調整――を挙げた。

    「連系線の活用」に関して、これまで関門連系線に流せる再生可能エネルギーの量は45万kWだったが、「転送遮断システム」(図)による電源制限量を増やすことで135万kWまで増やせるという。同システムは、連系線に事故があった場合に需給バランスが崩れないように瞬時に九州内の再エネ電源などを遮断するもので、太陽光や風力、バイオマスなど15カ所の電源を対象に、事故時の必要制御量を瞬時に分析して遮断する仕組みという。

    図 転送遮断システムの概念図(出所:経済産業省)

     

    「オンライン制御」とは、出力抑制に伴う太陽光発電所の停止・再稼働を遠隔で実施するもの。現在、旧ルール事業者のうち高圧連系事業者の多くは、サイト現場で人がパワーコンディショナー(PCS)を操作することで停止・再稼働させている。その場合、前日16時に抑制量を確定し発電事業者が9~16時の7時間の停止・稼働の作業を行う。

    遠隔制御装置を導入してオンライン制御に切り替えた場合、抑制日当日の2時間前に抑制量を確定し、必要時間帯で自動制御するため、抑制量が減ることになる。旧ルール事業者は30日ルールが適用され、1日何時間、抑制されても「1日」分とカウントされる。このため再エネ事業者にとっても機会損失の低減と人件費削減になる。

    「火力などの最低出力の引き下げ」とは、本来、定格出力30%以下に下げるべき6事業者(混焼バイオマス2社、専焼バイオマス発電3社、火力1社)の最低出力が55~80%に留まっていることから、「他事業者との公平性、太陽光・風力の抑制量低減の観点から可及的速やかに(少なくとも)最低出力50%への引き下げを図るべき」としている。

    「出力制御における経済的調整」とは、実務上の出力抑制は確実に抑制できるオンライン制御可能な再エネ設備に限定し、抑制に伴う再エネ事業者の機会損失について事後的に抑制対象の事業者全体に均等に割り振る仕組みを指す。抑制の確実性、迅速性が高まり、抑制量の低減と運用効率化につながることから導入に向け検討を進めるとした。(日経BP総研クリーンテックラボ)

     


     

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