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制度変更で太陽光「未稼働案件」の2GW超が断念?

太陽光発電協会(JPEA)は2018年11月22日、太陽光の長期未稼働案件に対する制度改正案に関し、緊急に実施したアンケート調査の結果を公表した。それによると、回答した29社が開発を進めている案件で、今回の改正で影響を受ける可能性のあるものは113件で、合計容量は約310万kW(3.1GW)に上ることが分かった。

この改正案は、経済産業省が2018年10月15日に開催した有識者会議で公表したもので、買取価格40円、36円、32円/kWhの未稼働案件で運転開始期限の付いていないものを対象に、新たに運転開始期限を設定したり、「系統連系工事の着工申し込み」の受領時期によって買取価格を変更(減額)したりするもの。

影響を受ける可能性のある113件の開発規模は平均27.5MWで、特別高圧送電線に連系するメガソーラー(大規模太陽光発電所)となる。これらの案件に関し、今後の稼働可能性を聞いたところ、「制度改正が無ければ稼働できる」が296万kW(111件)なのに対し、「制度改正案が実施された場合、稼働できなくなる」が228万kW(92件)となり、少なくとも2GWを超えるプロジェクトが制度改正によって、開発断念に追い込まれる可能性がある。

113案件に対する現時点での投資総額(電力会社への工事費負担金、地権者やEPCへの支払いなど)は約1680億円で、未稼働となった場合の違約金(EPCや金融機関への違約金、地権者に対する賠償金など)は約1210億円に上るという。従って、現在の改正案が実施された場合、29社全体で2000億円を超える損失が発生する可能性がある(図)。

 

〔図3〕適判の対象は2000m²以上の新築非住宅など

 

今回、JPEAがアンケートを依頼したのは110社。経産省によると、今回の改正案の対象となる案件は全体で最大1700万kW(17GW)に上るとしており、JPEAのアンケートが届かなかった開発事業者も多いと見られる。JPEAの増川武昭事務局長は、「今回のアンケートで判明した影響のある案件数・容量(113件・310万kW)は、氷山の一角である可能性も高い」としている。

アンケートでは、稼働が遅れている理由を聞いた。最も多いのが「電力会社の連系可能日に合わせた」(24件)、2番目が「林地開発許などの許認可」(19件)、3番目が「造成、建設工事に時間を要するから」(16件)だった。電力会社の連系可能日に合わせて、許認可取得や造成スケジュールを組んできたケースも予想される。(日経BP総研クリーンテックラボ)

 


 

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