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    「水上太陽光」に技術基準、経産省が電技解釈を改定へ

     経済産業省は2020年4月1日、「新エネルギー発電設備事故対応・構造強度ワーキンググループ(WG)」の第22回会合を開催し、水上設置型の太陽光発電設備に対する技術基準の検討状況について公表した。

     

     同WGは、産業構造審議会 保安・消費生活用製品安全分科会 電力安全小委員会の下に置かれ、同省の産業保安グループ 電力安全課が所管している。

     

     水上設置型太陽光の技術基準については、同省の委託事業として、外部識者からなる検討WGが設置され、専門的な知見から検討を進めている。

     

     公表された検討状況によると、「設計時に考慮・検討すべき水上特有の荷重・外力(波力・水位など)や部材性能に関して、電気設備の技術基準の解釈(電技解釈)第46条第2項に盛り込むという。具体的には、従来、地上設置を前提に列挙していた荷重(自重、地震荷重、風圧荷重、積雪荷重)のほか、「当該設置環境において想定される各種荷重」という文言を追加し、その要件について、電技解釈の解説書に記載するという(図)。

     


    図 水上設置型太陽光発電設備を支える構造部材(出所:経済産業省)

     

     水上設置型に対して、解説書に記載予定の荷重・外力は、積雪荷重、風圧、波力(動揺)、水位、水流、凍結圧力、波力(スロッシング)を上げており、それぞれの荷重がかかる部位(フロート、係留部、接合部)について、耐力などの要件を明記するという。

     

     また、部材に求める性能に関して、従来、地上設置を前提に支持物が対応すべき経年変化として、「腐食、腐朽」に加えて、「劣化」を加えた。これは、水上設置で一般的な樹脂製のフロート架台を想定したもので、「劣化しにくい材料」「劣化防止のための適切な措置をした材料」を使用することとした。

     

     今回の電技解釈の改定に伴い、設置環境に応じた想定荷重、支持物の基礎部分としてのアンカーに対する要求性能、フロートの部材である樹脂の劣化に対する考慮などを現在、検討しており、その要件が、今後の水上太陽光の設計に影響を与えそうだ。

    (日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ)

     


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