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    経産省、東電・中電・関電エリアでも「接続可能量」を算定へ

     経済産業省は2020年3月10日、有識者会議(新エネルギー小委員会・電力ガス事業分科会電力・ガス基本政策小委員会・系統ワーキンググループ)を書面で開催し、東京電力・中部電力・関西電力の「中3社」についても、再生可能エネルギーの「接続可能量(30日等出力制御枠)」の算定を求めつつ、「指定電気事業者制度」の在り方を議論すると公表した。

     

     現在、国内では中3社を除く全エリアで、太陽光と風力の電力系統への接続量と接続契約申込量が「接続可能量」を超えている。同制御枠を超えた旧一般電気事業者は「指定電気事業者」に指定され、電力の安定供給を維持するため、再エネの出力制御(出力抑制)が事業者当たり最大30日まで可能になるとともに、同枠を超えて接続契約を申し込んだ再エネ事業者に対しては、「無制限・無補償」の出力制御が系統接続の条件となる。

     

     経産省によると、中3社の接続量と接続契約申込量は、太陽光4500万kW(45GW)、風力760万kW(7.6GW)、接続検討申込量まで含めると、太陽光5800万kW(58GW)、風力5000万kW(50GW)に達している。こうしたなか、中3社エリアでも、再エネ出力比率が拡大し、系統混雑などから、出力制御など起きうる状況になっているという(図)。

     


    図 中部エリアにおける2019年5月2日の需給バランス実績(出所:中部電力の作成資料を経産省が公表)

     

     こうした背景から、同省では、2021年度から電力広域的運営推進機関において、出力制御を可能な限り回避するための設備形成や運用面での対策を検討しつつ、出力制御を高度化する観点から、再エネ出力制御システムの構築や出力制御機能付きパワーコンディショナー(PCS)への切り替えを進めるとした。

     

     加えて、中3社に対しても、接続可能量の算定を求めるとともに、この算定結果を踏まえて、30日等出力制御枠や指定電気事業者制度の在り方を議論するとしている。

     

     電力需要の大きい中3社は、他エリアの余剰再エネ電気を受け入れる役割も担っているだけに、その需給運用は全国的にも影響される。また、中3社が従来通り、指定電気事業者制度を適用された場合、今後、相当数の再エネプロジェクトで、「無制限・無補償」の出力抑制が接続条件となる可能性もあり、ファイナンス面でも影響がありそうだ。

    (日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ)

     


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